狂獣
2007/06/26/19:54:10(Tue)
ええ? ちょっとちょっと待ってよ……。そんなわけのわからない話を信じろってのかよ。あのどのインタビューで話が出ても落ち着き払った人格者という印象しか無いあの男が一家心中? 妻と息子を殺して自分も? 落ち着いてくれよ、そんな笑い話は全然面白く無い。少し笑いのセンスってやつを磨いた方が良いんじゃないか。え? ジョークじゃなければ嘘でもない? じゃあなんだよ、本当にクリス・ベノワが心中で自らの人生にピリオドを打ったっていうのかよ。どうなってんだそりゃ。真面目すぎるのがいけなかったのか。それともエディ・ゲレロに先立たれたのがいけなかったのか。俺は新日本時代のことは良く知らない。でもWCWからWWFにディーン・マレンコ、ペリー・サターン、それにエディと共に電撃移籍して来たときの衝撃はよく覚えている。全員身体は大きく無いが、レスリングの技術はピカイチの職人集団だった。ぶっちゃけラディカルズが抜けてからWCWはどうにもならなくなり、結果潰れたんだ。エンターテイメントレスリングといえど、試合内容の充実こそが最重要、それを教えてくれたのがベノワたちだった。その後のクリス・ジェリコと組んでのクリシズでオースチン&HHHに向かって行ったり、カート・アングルと何度も名勝負を繰り広げたり、会社がベノワに要求しているのはマイクでもギミックでもなく、ヒート出来る試合だってことが強烈に伝わって来た。ベノワは誰からも信頼されていた。彼は常に尊敬と共にあった。それがこんな最後を迎えるなんて……。
そこまで苦しんでいたならもう辞めても良かったんだ。故郷のカナダへ帰ってゆっくりのんびり暮らすべきだった。俺は今まで何度も夢に見て来たんだ。新日本の大会に二人の謎のマスクマンが出現する。ふたりが手にしているのは橋本と冬木の遺影。観客はブーイングを浴びせつつも、その正体に心を踊らせ、期待する。もちろん正体はベノワとジェリコで、ふたりはかつての盟友であったふたりのレスラーを追悼するために日本へやってきたんだ。でももう彼は追悼される側になってしまったんだ……。
ベノワを尊敬していた1ファンとしては最後にこう言わざるを得ない。「馬鹿野郎。なにやってんだ。さっさと出て来てどういうことか説明しろよ。してくれよ」と。今世界中で「すまない。あれは冗談だったんだ」と彼の面白くも無いジョークを期待している人がいることだろう。もしかすると彼は自分の成し遂げたことをまだ本当には理解していなかったのかもしれない。
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